加藤支部長 東北支部活動方針
平成22年度JSCA東北支部活動方針について
平成22年7月20日
東北支部長 加藤重信
改正建築基準法が施行されて3年が経過いたしましたが、構造設計業界もその前後では様変わりしたというところではないでしょうか。好むと好まざるに関わらず、我々JSCA東北支部もその活動を大きく変えることを余儀なくされております。それは、我々も自ら変わらなければ、世の中に取り残されてしまう恐れがあるからです。
そこで、この1年間支部長として活動してきたこと、そして、これからの1年間の活動方針について述べてみたいと思います。
本年度支部総会でお話した内容ではありますが、総会に出席できなかった多くの会員の皆様にも改めて支部活動方針を御理解いただきたく、御説明申し上げたいと思います。
§1.東北地方における構造設計業界とJSCA東北支部の課題
(1)東北地方の構造設計業界の課題
現在の東北地方における構造設計界の課題を列記すれば
・構造設計一級建築士制度の影響
・不況による設計物件の減少
・低廉な構造設計報酬
・若手構造設計者の慢性的な不足
・中央との技術格差が拡大方向
・構造設計技術者の一般社会からの認知度が低い
などがあげられます。
(2)JSCA東北支部の課題
また、JSCA東北支部の課題を考えてみれば、
・会員に若手構造設計者が少ない
・新規加入会員が少ない
・活動資金が不足している。
・各会員との情報交換や情報提供が不足している。
・中央との技術格差が拡大傾向にある
・会員に小規模構造設計専業事務所が多いことの再認識
所員数5名以下の構造設計専業事務所所属の会員が78%を占める
・活動協力者の固定化
固定化が問題ではなく、新たな協力者が増えないことが問題
組織の弱体化、マンネリ化、無関心化に直結
特定の個人、企業への負担集中
など、多くの課題を内包しているのがわかります。しかも、これらの課題は近年に顕著となった課題もありますが、むしろ古くから解決したくてもなかなか解決できない根の深い課題が多いことにも気付きます。
§2.東北支部活動方針について
それでは、上記課題を解決または改善するにはどうしらた良いでしょうか。
今まで解決できなかった古くからの根の深い課題をそう簡単に解決できるとは思えません。しかし、難しいからといって最初からあきらめたり、その課題に取り組まない事は、解決を放棄したか、それらの課題を受容したかのどちらかということになるでしょう。つまり、我々構造設計者の環境を改善しようと考えるならば、問題意識をもって、他力本願ではなく自分自身で解決または改善するしか方法はありません。
そこで、昨年度からのJSCA東北支部の活動方針を継続して、それらの課題の解決または改善に取り組みたいと思います。すべてを解決できるとは思えませんが、改善することや解決の糸口を見出す事はできると思います。
多くの課題が古くから指摘されておるものの、今だに解決できていないということは、それだけ根の深い難しい課題であるということです。しかし、それらを解決できなくても、幾分でも改善することができるとすれば、すなわち、我々構造設計者の置かれている環境を、いくらかでも改善できたということを意味し、言葉を代えれば、いわば一歩前に踏み出すことができたということであると思います。
そのような活動を目指したいと思います。
しかし、現状のJSCA東北支部の状況をみれば、その課題改善のための行動をするためには、そのような活動を行えるような環境と、結果を出すための環境作りから行わなければなりません。
それらを考慮した結果、今期の東北支部の活動方針は、ほぼ前期と同様ですが
①危機意識・問題意識の共有
②理解者を増やす
③活動資金を増やす
④外部団体との交流・連携の強化
⑤情報交換の場を設ける
⑥みんなで活動
⑦若手構造設計者を増やす
⑧各県ブロック会員との交流強化
⑨技術講習会の実施
としたいと思います。
§3.東北支部活動方針の解説
それらを、各項目別に簡単に解説すると
① 危機意識・問題意識の共有
今まで掲げてきた課題等を自らが、「問題であると」いう意識を持たない限り課題解決はできません。また、それはJSCA東北支部の執行部や幹事だけが意識するだけではなく、支部会員全員が認識することによって、力を結集することができます。
② 理解者を増やす
「数は力」という言葉がありますが、我々が改善行動を行っていくにあたり、我々の良き理解者を増やすことは重要であると考えております。外部団体との交流や支部賛助会員の募集もその一環です。
③ 活動資金を増やす
東北支部の活動は主に本部からの交付金で賄われています。その交付金だけではこれらの改善行動を行うための資金はありません。よって、行動のための原資を確保する活動も必要となります。宮城県職員向け講習会からの剰余金繰り入れや支部賛助会員の募集もその一環と言えます。
④ 外部団体との交流・連携を深める
これらの改善行動はJSCAの力だけで行えるものではありません。構造設計に関わる団体のみならず行政、建築設計業界、建設業界、メーカー等からの御賛同や御協力を頂いたり、一緒に行動することは大きな力となります。そのためにも交流や連携を深めていく事は重要となります。
⑤ 情報交換の場を設ける
今まで東北支部では、従来のホームページにはその機能が無かったため、低コストで事務局等が入手した情報をすばやく支部会員に伝達するための手段を持っておりませんでした。また、従来のホームページにも、それらの伝達機能等は不足しておりました。
その改善のため昨年度に支部ホームページの全面改訂を行ないました。大変明るくかつ高機能のホームページを作り上げることができたと自負しております。今後は支部会員への情報伝達や会員同士の情報交換は本ホームページを主手段とすることによって、すばやく、かつきめ細かく行えることと期待しております。
この支部ホームページの作成と維持にはかなり高額な費用を要しております。それを考えましても、会員の皆様の活発な利用を御願いいたします。
また、この場をお借りいたしまして、従来のホームページを無償で作成し、かつ長い期間無償で運営していただいた、㈱T&Aの伊藤社長、㈱コス設計の千葉社長ならびに御子息に厚く御礼を申し上げます。
⑥ みんなで活動
現在、支部では支部活動協力者の固定化がみられます。固定化は決して悪いことではなく、むしろその献身的な活動で東北支部は支えられてきました。つまり、課題は活動協力者の固定化ではなく、新しい活動協力者が増えないことであると思います。活動協力者の固定化は、その協力者への負担が集中することを意味するとともに、活動のマンネリ化や他会員の無関心化による組織に弱体化に繋がる恐れがあります。
そのため、各会員が少しづつでも支部活動に御協力いただき、それらを改善していくことを目指したいと考えます。
⑦ 若手構造設計者を増やす
今、東北の構造設計業界に若手構造設計者が不足していることは、皆様も御存知のことと思います。しかし、社会はその事実を理解しておりません。その流れを変えるということは大変難しいことですが、あらゆる機会を利用してその事実を粘り強くアピールし、解決の糸口を探りたいと考えます。
⑧ 各県ブロック会員との交流
昨年度は、山形県ブロックや青森県ブロックで意見交換会等を開催し、交流をはかることができました。本年度も可能な限り各県ブロックの会員との交流を図れるような活動を行いたいと考えております。
⑨ 技術講習会の実施
基礎編ならびに応用編の構造設計実務者向けの講習会を実施する。
§4.昨年度の活動の反省と本年度の活動
昨年度もほぼ上記に掲げた方針と同じ方針で活動してまいりました。やるべき事柄が多く総花的な方針となっていることは否めません。しかし、委員会やWG等の組織改変と多くの会員の協力を得て、これらの活動は「いたずらに急がず、しかし着実に」前進することができたと感じております。
本年度も昨年度からの活動を継承し、改善しながら、急がず着実に前進させていく所存ですので、会員の皆様の御理解御協力を賜りたく御願い申し上げます。

